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セールス&マーケティングについて
ビジネスをする上でセールスとマーケティングは絶対的に欠かせない要素です。欠かせないというより、ないとビジネスは始まりません。ですが、多くのビジネスシーンでセールスとマーケティングを分断して考えられていることが多く、機能的には全く異なるもののため分断して考えたり議論すること自体はもちろん問題ありませんが、時代の変化とともに変化している売り方や様々なツールの出現によって、セールスもマーケティングも双方向の理解と考え方の統合が今まで以上に必要になってきています。しかし、セールスとマーケティングが仲良くインタラクティブに機能しているケースは非常に少ないです。ではなぜ分断された状況が続いているのでしょうか?私、コネクト創業者の河村が今までのデザイン案件を通して見てきた様々な実例をもとに色々紐解いていきたいと思います。
1. 売り方の変化
まず、2000年代より以前、70年代でも90年代でも、商売のメインはほとんどが実店舗ありきでした。通信販売などありましたが(現在もありますが)、セールスの基本は対面で人と話して行うのが一般的でした。ですが、インターネットのおかげでEコマースが発展し、今では人と話さなくても色々なものを買うことができます。カスタマーサービスのチャットだって機械返信のように人に代行して行っているものが多く、対面の必要性が減ってきています。
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現代ではオンラインで商品を買うことは当たり前になっていますが、インターネットが普及しだした90年代後半に今の社会を想像してた人はいますでしょうか?
多くのEコマースはセールスだけでなく、サイトの見た目や使い勝手、雰囲気やブランド体験とったマーケティング要素も非常に重視されます。また見た目や使い勝手といった目で見てわかる範囲だけでなく、顧客管理システムだったり、データ分析ツール、またプロモーション方法も販売チャンネルにあわせて異なってくるなど、ただ店舗で話して売っていただけの時代と比べると、セールスとマーケティングに関わる全てのことがより複雑になっています。
ですが、多くのEコマース事業者はブランディングをよくわかっていないセールスマンが自社オンラインストアを担当してたり、セールスの状況に理解のない人がマーケティングチームをリードしていたりと、役割や作業の統合が機能していないケースが多々あります。
2. 変わらない人事構造背景
売り方がこれだけ複雑になってきているにも関わらず、役割や作業の統合が機能していないケースの背景には、いつまでたっても変わらない人事的な構造が大きく影響しています。
日本では新卒採用と終身雇用文化の影響で世界の中でも例を見ない特殊な人事構造になっています。そのため時代の変化にあわせた組織構造が難しくなっています。
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企業は、経営者たちの成功体験に基づいた人事を自ずと求めてしまうため、2000年以前に多くのビジネス成功体験をしてしまっている50歳以上の経営陣がいる会社は、どこもほとんど同じ人事構造をしているところが多いです。すなわち、古いビジネスモデルの上に成り立った人事構造のままになっているわけです。もちろん時代にあわせた変化がありますが、その多くは一部に専門家が割り当てられていたり、あくまでも補填的な変化であって、人事構造を作り上げる経営者の脳内情報・体験が古いため、新しいセールスモデルへの対応が遅れているところが未だに非常に多いのです。
3. 古い情報を教える学校
日本と欧州の広告代理店に勤務してきた経験や中国や欧州市場での経験をもとに比較すると、多くの学校では未だに古い理論やビジネスケースを教えていると思います。積極的にスタートアップと連動を図ったりして最新のマーケット情報を学生にインプットしている大学やビジネススクールがありますが、それでもまだ一部にしかすぎません。
しかもそういった大学やビジネススクールで学べることは、ごく一部のマーケットを切り出した非常に限定的なケーススタディしかなく、異なる市場の比較などがされていません。例えば、中国市場のセールス・マーケティングは世界でも類をみないスピードで日々変化していますが、にも関わらずアメリカやヨーロッパのケーススタディのほうが優先されてしまっているのです。
体験するしかない。
必ずしも、すべての業界でセールスとマーケティングを統合する必要があるとは思いません。そもそも統合するということではなく、人のコミュニケーションや販売チャンネルの多極化に見られるように売り方の変化がここまでダイナミックになってしまっていることを考えると、統合するやり方より、これからの時代の売り方をベースにした新しい可能性ある方法にそった理論ややり方を導入すべきだと思います。これまでの過去のやり方に執着するのではなく、未来のやり方にあわせていくのです。
そうなってくると一番確実で早いのは、より新しいセールスとマーケティングを体験することです。そのためには一度自分が置かれている市場環境から別の市場環境へ身を移し、より最新のテクノロジーや知識を利用した商品・サービスの購入を体験することが一番の近道です。
1980年生まれ、オランダ在住。東京ディズニーリゾート公式サイトやパーク内のファストパス、コンバース中国の公式サイト、Airbnb中国のビジネスローンチ、Adidasグローバルのロイヤリティプログラム、Philipsの自社デザインシステムなど国内外問わず様々な企業のUX/UIデザインプロジェクトに従事。子供の視能障害を改善するためのビジョントレーニング機器のスタートアップbloo visionを立ち上げるかたわら、講師・メンターとしてデジタルハリウッド学院、Miami Ad School、IDEOなどでUX/UIデザインを指導。
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