Why Do So Many Strategies Fail?
なぜ戦略が抜けているのか?
仕事でビジネス戦略やセールス戦略、ソーシャルメディア戦略と様々な戦略を耳にしますが、多くの現場で戦略自体が忘れ去られていることが多々あります。それは、戦略と戦術を明確に理解している人が少ないからです。
まず、戦略の意味ですが、
戦略
戦略とは何かを達成するために計画・計略を練ることです。最初から最後まで計画・計略を準備し、それにフォーカスをあてることが、戦略を持っていることになります。
- 大きな・全体的な目標を達成するための方策・方針・計画・計略
- 戦争にかつための総合的・長期的な計略
つまり、何かを達成するための進むべき方向性=シナリオです。
そして戦術の意味ですが、
戦術
戦術とは具体的な方法・手段・構成で、また戦略を達成するための計画です。もし複数の戦略があれば、それに伴い複数の戦術が必要です。
- ある目的を達成するためや戦い勝つための具体的な方法・手段
- いつ、どのように戦略を達成するのか、その具体的な方法・手段
つまり戦略を達成するための手段=オペレーションです。
戦略というと、会社では重要職の仕事であり、普段の仕事ではやる必要がないと見ている人が多いですが、実はこの戦略と戦術の違いがもたらす影響は広範囲に渡ります。特に仕事におけるコミュニケーションへの影響は顕著です。何も経営者だけに限った話ではありません。
コミュニケーション
人は普段話をするときに、わざわざ自分の人生の目的や価値観を話してから話題に入るなんてことは滅多にしません。同じ言語で文化的背景を持っている人どうしであれば共通に理解・同感しあえる部分が多いので、相手も同じ考えだという無意識にある部分が先行してしまいます。
日常生活の中では戦略を意識する必要はほとんどありませんが、ですが仕事になると変わってきます。仕事は常に利益を出すという共通目的が仕事に携わっている関係者全員にあり、どういう風に利益を出すのかは会社や事業で変わってきます。また、それぞれが異なる役割を実行しているので、役割に応じて目的の捉え方も変わってきます。
例えばわかりやすいのが、多くの企業やブランドが、情報を伝える方法やアイデアを先行して話してしまう点です。商品やサービスを開発したあとにやらなければいけないことは販売です。売るためにコミュニケーションをとらなければいけません。そのため、多くの現場の人がすぐに手段の話をします。
ですが、もしどう売っていくかというシナリオが見えていなければ、いくらいいアイデアを出したとしても職場の上司に却下されたり、同僚同士での意見の食い違いなどがでてきます。こんな経験された方多いのではないでしょうか?
ビジネスにおけるコミュニケーションの中では、目的や課題の共通認識を持つというのは、効率化を目指す部分では避けられません。必ず必要なことです。ですが、多くの企業が戦略と戦術を十分区別しないまま経営を行っており、結果現場まで明確なビジョンや目的が浸透していないため、多くのコミュニケーションギャップが生じているのです。
このようにビジョンや情報を出す優先順位、明確なゴールなどをしっかりチームで共有できていれば、そのゴールに向かってどう進めるのか、方法をスムーズに考えることができます。ここに戦略と戦術の違いが明確にあるのです。常に戦略から先行して考えていかなければ、結果的に目的が手段となってしまうのです。ビジネスだけでなく、普段の生活の中でも多く見られるのではないでしょうか?
現状を把握する
戦略を作っていくことで非常に重要なことは、常にモノゴトや自分が置かれている現状を把握することです。ですが、そんなに簡単に把握できるものではないですよね?特に自分のことになると客観的に把握するのは難しいです。
しかし、目的や野望に向けて戦略を考える際に、例えば会社で任されたプロジェクトの達成や商品開発、また会社だけなく仕事のキャリアにおける目的の捉え方も含めて、今自分はどのくらいの位置にいるのかということを把握していなければ最適な戦略を導き出すことはできません。
また現状を把握するだけでなく、目的や野望の持ち方も非常に大事です。
目的や野望が明確だからこそ、それをどう進めるのか、どうやって達成するのか考える必要があるのです。
一昔前、ものが少なかった時代は、作れば作るだけ物やサービスが売れていたため、売り上げを簡単に伸ばすことができました。ですが、だんだんと情報社会になり、この20−30年の間でも飛躍的に商品やサービス、情報が常に増えていて、とにかくモノ・データで溢れかえっている時代の中では戦略・戦術なしには売り上げを上げることだけでなく、自身のキャリアを作っていくことはできないでしょう。
これからの未来を生き残っていくためにも、戦略と戦術の違いをしっかり理解した上で、それをどう組み立てるのか考える必要があります。
1980年生まれ、オランダ在住。東京ディズニーリゾート公式サイトやパーク内のファストパス、コンバース中国の公式サイト、Airbnb中国のビジネスローンチ、Adidasグローバルのロイヤリティプログラム、Philipsの自社デザインシステムなど国内外問わず様々な企業のUX/UIデザインプロジェクトに従事。子供の視能障害を改善するためのビジョントレーニング機器のスタートアップbloo visionを立ち上げるかたわら、講師・メンターとしてデジタルハリウッド学院、Miami Ad School、IDEOなどでUX/UIデザインを指導。
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